事業場全体の空調稼働を見直し 工場増設後も使用電力量を維持[Case260]

大洞印刷株式会社

岐阜県本巣市

製造業

中部

従業員51~100名

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岐阜県本巣市で、クリアファイルやビジネスフォーム印刷をはじめ、セールスプロモーションツールの企画・制作なども手がける大洞印刷株式会社。とくにクリアファイル印刷は1日約10万枚にものぼり、全国トップクラスの生産量を誇る。ここ数年の増収増益を背景に2013年6月に工場を増設、生産能力は倍増した。電力使用量の大幅な増加は必至とみられていたが、さまざまな省エネ活動により、ほぼ横ばいを維持している。電気の「見える化」の活用方法もあわせて伺った。

見える化がもたらした省エネの成功ポイント

紫外線ランプ数を低減し、テストを重ねた省エネの工夫

同社では、フィルムに塗ったインクを乾燥させる機械で使用する紫外線のランプを、3本から1本に減らした。資材を見直し、テストを重ねることで品質を損なうことなく省エネにつなげることができた。さらに乾燥しやすいインクへの交換やランプを調整するなど、品質維持に努めた。増設した工場には温度管理が必要な材料の保管庫をつくり、部分的に空調を効かせるなどの工夫で増設後も使用電力量を以前のままに保つことができた。

  • 省エネ活動のはじまり
  • 事務所空調の負荷を低減
  • 工場での対策と保管庫の設置
  • さまざまな設備改善と今後について

導入効果

導入時期 2013年5月(取材時期 2014年3月)
使用電力量 125,875kWh(2013年2月~2013年3月)
⇒ 121,350kWh(2014年2月~2014年3月)
3.5%DOWN!

省エネ活動のはじまり

「さまざまなムダを抱えた状態で工場を増設してしまっては、さらにムダが増えてしまう。まずは電力使用状況の把握と、今後の省エネ活動に向けての基準をつくりたいという思いがあり、2013年6月の工場増設とほぼ同時期に、SMARTMETER ERIA(以下、ERIA)とSMART CLOCKを導入しました」と、専務取締役の大洞広和氏は話す。
まず、これまで規定していなかった事務所の空調の設定温度を見直し、夏は27~28℃、冬は25~26℃というルールを決めた。さらに空調を広範囲に行き渡らせるため、シーリングファンを、事務所を中心に10台導入。空調が体に直接当たらなくなったことにくわえ、冬は足元まで温かくなったと従業員に好評で、徐々に室内の温度ムラを改善していった。

事務所空調の負荷を低減

デマンド閲覧サービスで電力の使用傾向を確認すると、夏の日中は印刷機と空調の並行稼働で、デマンドが上がることがわかった。そこで、事務所の空調負荷を軽減するため、すべての窓ガラスに遮熱コーティング加工を施した。「フィルムを貼るタイプと違い、はがれる心配がなく、さらに色も透明なので見た目の変化はありません。シーリングファンとの併用で事務所の温度が抑えられ、空調の設定温度が2℃改善されました」と、体感温度にも違いがしっかりと表れるまでの変化があったという。
また、冬の電力ピークは朝。始業時は工場内の室温が下がっているため、印刷機の立ち上げに時間がかかり、電力が必要となるうえ電力負荷も大きい。空調の稼働を工場部門で8時から、営業部門で8時40分からと、時間をずらすことで電力ピークを分散させた。

工場での対策と保管庫の設置

印刷後のインクを乾かす工程では、赤外線ランプを用いているが、ここも見直した。速乾性のあるインクの採用やランプの調整により、これまで1箇所で3本使用していたランプを1本に変更し、電力使用を低減した。
さらに、増設にともなってフィルムの保管場所を確保した。フィルムの保管は通常20~25℃が適温とされているため、夏や冬は業務終了後も空調で温度管理をする必要がある。これまでは使い勝手を考慮して通路の空いているスペースに並べて、工場全体の温度を管理していたが、これが電力使用のムダにつながっていた。増設時に保管庫をつくり収納したことで、温度管理をしなければならない面積が約1/5で済むようになった。「フィルムの出し入れで多少手間は増えますが、これまで誰もいなくなった工場内に、空調を効かせていたことを考えると大きな改善です。夜間の電力使用がぐんと減りました」と大洞氏もその効果を実感した。

さまざまな設備改善と今後について

直接的な省エネ活動以外にも、夏のクールビズはポロシャツ、冬のウォームビズはトレーナーと2種類のユニホームを製作。体感温度の変化にくわえ、従業員間の一体感が高まったという。「ERIAとSMART CLOCKを導入してから1年弱。省エネ意識の向上が端々に見えるようになりました。来客時以外は電気給湯器の電源を切る、暖房便座は退勤前に電源を切って帰るなど、些細なことですが、徹底するようになりました」。
設備改善面では、2013年10月に事務所を中心に、全照明の4割にあたる100本近くの照明をLEDへと入れ替え。増設した工場は最初からすべての照明をLEDにしている。今後は工場の水銀灯のLED化が目標だ。
工場を増設したことで生産能力は倍増したが、電力使用量はほぼ横ばいを維持している。「ムダをそのまま継続しないという目標は達成できました。今後は、使用傾向を分析して基準となる省エネ目標を設け、工場稼働に適切な電力使用をめざしていきます」と、大洞氏は一連の省エネ活動を総括した。

省エネの達人『企業編』でも放映されました!

テレビ番組 省エネの達人『企業編』で取り上げられました。
クリックで動画を再生します。(4分00秒)

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代表取締役社長 大洞正和氏

企業概要

事業内容 印刷 
従業員数 57名
所在地 岐阜県本巣市
URL https://www.obora-pri.co.jp/

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