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馬本英一社長×河村隆一さん 特別対談 設立20周年記念
2015年4月、日本テクノは設立20周年を迎える。節目の年にあたり代表取締役社長の馬本英一がゲストをお迎えする特別対談を企画した。日本テクノの軌跡と展望、業界や日本経済の未来、環境問題への対応などを語り合っていく。今回はアーティストの河村隆一さんをお招きした。
1989年、2人の若者が
音楽とビジネスの各分野でスタートを切った
河村隆一さんは環境問題に強い関心を持つアーティスト。日本テクノのイメージキャラクターでもある。河村さんがボーカルを務める「LUNA SEA」がインディーズバンドとしてスタートしたのは1989年。くしくもその年、日本テクノの馬本英一社長は省エネ関連の個人事業を立ち上げ、今日に至る第一歩を踏み出した。一方は音楽、一方はビジネス。分野は異なるがともに同じ時代を駆け抜ける2人が、来し方行く末、そして信念を互いに披露した。
感謝の言葉を一途に求めて。
河村
設立20周年おめでとうございます。
馬本
ありがとうございます。会社の設立は1995年、その6年前の1989年にワンルームマンションで省エネ関連の個人事業を立ち上げ、本当にいろいろな人の助けを借りながら、ここまでやってこられました。
河村
僕が19歳でLUNA SEAの活動を始めたのも1989年です。分野は違いますが、まったく同じ時代をお互い駆け上がってきているんですね。
馬本
20世紀と21世紀をまたぐ歴史的にみても節目の時代です。その中で河村さんは、アーティストとしての今の地位を築いてきた。大切にしてきたものって何かありますか。
河村
基本にあるのは音楽家としての技術を磨くことです。歌唱の分野では音域を広げる努力だったり、作曲では多様なジャンルの楽曲を分析して自分のバリエーションに加えたり。でも、それだけでは駄目。そこに欠かせないのは遊び心だと思っています。自分がやっていることを楽しめるか。いつもワクワクしていられるか。今まで蓄積してきた技術など考えず「楽しそう」と思っただけのきっかけでやってみたライブのパフォーマンスや、つくった楽曲が、思いがけず素晴らしい出来になるんです。
愚直に真面目を貫く
馬本
基本と遊び心──。それは私の仕事にも通じます。基本に相当するのは、一途に真面目な会社にしようと考え続け、やり抜いてきたことです。
河村
ユーザーからの評価は高いみたいですね。
馬本
でも逆風もありました。例えば2002年ごろに当社を誹謗中傷する怪文書が出回った。電気の保安管理という既得権者がいる業界に、新参者が加わることへの抵抗です。私はこれに「誰にも文句を言われない、真にキレイな会社にする」ことで対抗した。汚いやり方に、同じ方法で仕返しするのではなく、愚直に真面目を貫くことで跳ね返す。それが河村さんの言う基本と同じでしょうね。
河村
それに加えて「遊び心」もあるんですか。
馬本
商品開発の分野が「遊び心」です。誰もやらないモノをつくってやろう。お客様が思わず笑顔を浮かべるサービスを考え出そう。それを形にするのは、まさに河村さんの言うワクワクです。
─河村さんはワクワクする活動を続けられる中で、一番うれしいと思うことは何ですか。
河村
ファンの方から感謝の言葉をいただいたときですね。「あなたの曲で人生が変わりました」という内容のファンレターを受け取ったり、就職活動のときに僕の曲を聴いてそれが励みになって無事に就職できたなんて話を直接、伺ったり。
ファンの方とプライベートな話をして、僕の活動が何かの役に立ったと感謝されるとき、これまでの行いが多くの人に喜びを与えてきた、やってきて本当によかった、と心から思います。
馬本
私も同じです。一番うれしいのは、お客様から感謝の言葉を受けたとき。当社の商品の多くは7年のリース契約です。お客様は7年後にリースを止める判断もできる。でも大多数は契約を更新されます。設立20年なので当初のお客様はもう3回の更新です。そうしたお客様から「安心だから任せている」「効果的な省エネを教えてくれてありがとう」などの声がいただけるんです。もしかしたら、感謝の言葉を聞くために続けているのかもしれません。
感謝の声を求めて
河村
僕は感謝の言葉やファンの方の声に、できるだけたくさん、直接触れたいと思っています。そのために、地方のショッピングモールのイベントなどへ積極的に出演しているんです。その多くはボランティア。スタッフや機材などをこちらが用意することもあるので、かなりの持ち出しですが、それに見合う以上の温かい声をもらえます。
馬本
それは聞いていました。河村さんのような一流のアーティストがそんな活動をしていると知り、負けていられないと思った。だから私も、お客様を直接訪問する活動を始めたんです。今年は200社回る予定です。家族経営の比較的小規模の工場から上場企業まで全国を行脚します。感謝の言葉はありがたく受け止め、不満や要望、ご意見なども伺ってきます。
河村
現場は大切ですね。ライブではファンの方の予想もしなかった反応に触発されて、自分でも驚くような力が出せたりします。
馬本
現場の声を聞き、さきほどの「遊び心」にもつなげようと考えています。お客様の笑顔をもっと引き出すサービスや商品の開発です。これはワクワクしますね。
私は河村さんに触発されて20周年の節目に、より現場に近づき、今後に生かす目標を立てました。河村さんは今後、どんな活動をされていきたいですか。
河村
音楽活動をしていても、環境やエネルギー問題が気掛かりです。そこで少しでも自分を役立てたい。再生可能エネルギーだけを使ったライブとか、誰も使っていない最先端の環境技術を用いてのイベント開催とか。自分のやったことがきっかけで、それがスタンダードになっていけばいいと考えています。
僕がそんな活動に利用できるツールやサービスを、日本テクノさんにつくってもらいたいですね。
馬本
はい。目標の一つに加えさせてもらいます。どうもありがとうございました。
河村
こちらこそ、ありがとうございました。
河村 隆一
1970年 神奈川県出身。LUNA SEAのヴォーカルとして活躍。1997年にソロデビュー。アルバム『Love』のセールスは300万枚を超えた。ミュージシャン、小説家、俳優、音楽プロデューサーなど多彩な分野で活動。2012年12月、日本テクノのイメージキャラクターに就任
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