朝の介護の流れにあわせた無理のない省エネ活動[Case520]

「きらりびとみやしろ」は、認知症高齢者が暮らすグループホームやデイサービスを運営する福祉施設。訪問介護や居宅介護支援を行うスタッフの事務所も備えている。
同施設が日本テクノの電気の「見える化」サービスを導入したのは2014年。その後、コロナ禍で経営環境が厳しくなるなか、電気代の高騰対策としてあらためて省エネ活動に本格的に取り組むようになった。理事長の島村孝一氏は隔月の幹部会議でデマンド閲覧サービスのグラフなどを共有。デマンドの仕組みについて理解を得てから、介護の現場でもできることをおのおのから提案してもらった。

同施設は木造で、防災の観点から空調はもちろん調理までオール電化。そうしたなかで冬や夏の朝方は使用電力量が上がり、SMART CLOCKの色が赤くなる。
グループホームでは入居者が生活するユニットの共有部分にキッチンで、1日3食の食事がつくられる。そこで夜勤スタッフは入居者が起きる前に朝食の下準備をして5時前には調理器をオフにする。その後、共有スペースの空調を入れて、入居者が起きる5時半過ぎには快適な環境を整える。起床介助が終わると共有スペースの空調を抑え、朝食の最終準備（温め）を行う。

２階にあるスタッフ事務所には、入口に島村氏が手づくりしたパネルが設置されている。扉を開けていても下半分にはプラスチックの板が二重扉のように閉まっており、空調の空気が廊下に流れ出ない。「コロナ禍で定期的な換気が必要な時期に設置しました」と話す島村氏。冬場の換気中もデスクワークをするスタッフの足元を冷やさないための配慮だ。また事務所にはSMARTMETER ERIAが設置されているので、警報時には一時的に空調を切ることもあるが、切っているあいだはなるべく扉の開閉を控えて温度変化を抑える。